米ドルと比べて相対的に弱い為替レートで取引されていたのがつい昨日のことのように思えるが、今や日本の通貨は3ヶ月の間に24円近くも上昇し、急激な円高になっている。さて、この急激な円高で生活は元に戻るのだろうか?
このブログでは、円高が日本での生活に与える影響について考えてみたいと思います。物価、給料、住宅ローンの金利など、円高がそれぞれにどのような影響を与えるかを見ていきます。それでは、始めましょう。

なぜ突然24円も円高になったのか?
円高には、さまざまな要因があります。
まず、アメリカがインフレ対策で政策金利を過去にない通常の3倍のペースの0.75%を連続3回行いました。これによりアメリカと日本との金利差でドルが買われました。
分かりやすく日本国内で例えると、貯金する時に『A銀行の金利が5%』と『B銀行の金利が0.5%
』だとしたら、誰でも金利が5%の『A銀行』にお金を貯金しますよね? これと一緒で為替取引固有の円を売ってドルを買う動きで一時期、ドルが152円近くになりそうでした。
そこから、アメリカのインフレ率の上昇が頭打ちしたことで、アメリカの中央銀行は政策金利の値上げ幅を緩め日本が『覆面介入』という円買い介入で円高にしたり日本銀行がより拡大した金融政策を実施していることです。
この政策により、経済におけるお金の供給が増え、その結果、円の価値が上昇したのです。
また、相対的な円高を背景に、投資家が米国への投資から日本への投資へと資金を移動させたことも要因の一つである。また、相対的な円高を背景に、投資家が米国から日本への投資に資金をシフトしていることも、円高ドル安を招いている。
では、円高になった今、価格は下がるのだろうか?
経済学者の間では、通貨高になれば物価が下がるというのが通説になっています。しかし、実際にはそうとは限りません。むしろ、円高になっても物価が上がり続けることがある。
これは、多くの製品が海外から輸入されているためである。
円高になっても、輸入品の価格が変わらなければ、日本の消費者の物価は上がり続けることになる。
また、企業は材料コストが高い時に発注または作った製品の在庫があるので、それが無くなるまでは商品の価格は下がりません。そして在庫が無くなっても価格の先が見通せないと値下げ出来ずに価格がそのままだとコストが下がった利ざやで企業の利益は大きくなります。
この現象は時間差で来るから『価格はすぐには下がりません。』
将来の賃上げについてはどうでしょうか。
円高が消費意欲の向上につながり、将来の賃金を押し上げる可能性もあります。
利ざや等の時間差で企業利益が大きくなったら賃上げに関しては、円高は比較的良い影響を与える可能性があります。なぜなら、雇用主は円高に対応するために賃金を上げる可能性があるからです。
また、円高は職種によっては恩恵を受けれない業種のあります。
円高で恩恵を受ける業種は?
一般的にメリットを得るのは、輸入業種で原油大豆、トウモロコシなどの輸入食糧や輸入家具、原料を輸入する紙・パルプ、輸入木材などがある。
もっと円高が進むと、海外旅行の費用が割安感で海外旅行人気で旅行会社や、航空会社が儲かる可能性があります。
しかし、一般的には『円高=株安』なので、経済成長の鈍化につながり、雇用主が将来的に賃金を上げることが難しくなる可能性があることにも注意が必要である。
おわりに
円高は、日本での生活に様々な影響を与える可能性がある。
物価が大きく下がることはないだろうが、賃金の上昇は今後あり得ることである。ただし、円高が経済成長の鈍化につながり、雇用主が将来的に賃金を上げることが難しくなる可能性があることも念頭に置いておく必要がある。